子供の目を良くするための環境づくりにとりわけ大切な、「食事」と「室内照明」のふたつについてとりあげます。
子供の目のみならず脳や身体的成長のためにもきわめて重要な要素となる「たんぱく質」「ビタミン群」「カルシウム」「DHA」などの諸要素を日々の食事のなかできちんと子供にとらせることが、なにより大切です。
たんぱく質は眼球や水晶体・眼をとりまく筋肉の主成分ともなっています。
またたんぱく質に含まれるタウリンは、網膜の発達を促し、痛んだ角膜の修復を早め視力低下を防ぐなどの大切な働きをしています。
ビタミンA・ビタミンB群・ビタミンC、そしてサンマやサバなどの青魚に多く含まれるDHAはいずれも目の健康を保ち、目の働きを活性化させるのに重要な役割を果たします。
ビタミンB群のなかでとりわけ目によいとされているのはビタミンB1・B12・B2・B6と言われています。
成長期の子供にこれらを過不足なく与えることがすなわち目の健全な発達を助けるわけですが、最近は共働きの家庭も増え家族みんなが食卓を囲む機会が減るなど、食事から栄養をバランス良くとる機会がだんだん減りつつあるようです。
しかし、ビタミンのサプリメントなどはあくまで補助手段ですので、やはりこれらの栄養素を毎日の家族の食卓でだされた食事からバランス良くとるのが、発育盛りの子供の目と身体にとって一番よいということを、親としてはよく踏まえておきたいものです。
また室内照明については、家族みんなが集まるリビングなどの照明環境がどうかについてまったく気にかけていないご家庭がありますが、これは考えものです。
たとえば居間の蛍光灯などは、ソファに座って本や新聞を読むときに手もとに必要十分な明るさ・目に対するやさしさが確保されていますでしょうか。
そのために適した蛍光灯に取り替えるだけでも、長期的に見て家族・子供の目に対する負担感がずいぶんと違ってくるものです。
また、蛍光灯がほこりをかぶったままになっていませんか。
居間の照明は一年間掃除しないと、明るさは約10%も低下するといわれています。
もちろん、子供の勉強部屋の室内照明やデスクスタンドの明かりについても、手もとの読書や作業のために十分な明るさを確保することが必要です。
最後に、外出時の注意点です。
とりわけ暑い夏の時期は、外で遊ばせている子供の眼に大量に降り注ぐ「紫外線」にも注意が必要です。
紫外線は眼の老化を加速させ、将来の白内障や瞼裂斑(けんれつはん。白目の一部が黄色く濁る)および視力低下の要因になる、と指摘する調査結果もあります。
子供を屋外に長時間出す場合、熱中症対策などについ気を取られがちですが、少なくとも「つばの広い帽子」を必ずかぶせるようにしましょう。
最近は日本においてもサングラスを着用した子供を見かけますが、眼への紫外線対策としては「帽子+サングラスのセットでほぼ万全」と言ってよいでしょう。
海外では子供へのサングラスの着用を、条例で義務づけている自治体などもあるようです。
紫外線は一年中飛んでいるため厳密には夏に限った話ではありませんが、とりわけ日差しの強い夏には配慮したいものですね。