子供は成長途上であることから眼球の長さ(眼軸)が大人よりも短いため、遠視の状態にあることが普通です。
ただし、眼球の大きさが大人とあまり変わらなくなる小学校3年生くらいからは、近視の割合が増え始めます。

成長途上の子供の遠視は目の未発達からくるものとはいえ、遠くや近くを見る時に水晶体を調節して対応しようとすることから、たえず眼の毛様体筋を使う状況になります。
そのため、どうしても目が疲れやすくなっています。
したがって遠視の子供のなかは、手もとの教科書や黒板の字がよく見えないために、そのまま勉強嫌いになってしまう場合も多く見られます。
また遠視の子供は、そのまま放っておくと視力が未発達な状態が続く「弱視」になってしまう危険性があります。
弱視の子供は、目を通じてみたものを脳で分析する力が未発達なまま成長することになるので、大人になってからメガネやコンタクトを使ったとしても、弱視の状態を回復することができない危険性があります。
一般に「見る力」は6歳前後までに完成すると言われていますので、親としてはそれまでに適切な治療を子供に受けさせることが必要になります。
子供の視力に及ぼすマイナス要因と、その対処法(1)。
子供の視力に及ぼすマイナス要因と、その対処法(2)。
また、子供は日常の生活動作で無意識に、視力低下の兆候を示しているときがあります。
たとえばテレビを見る時に異常に前に近づいて見ている場合、これは遠視や近視・弱視の可能性があります。
また、テレビを見る時に目を細めるような子供は、やはりピントが合っていないためにそうしている可能性が強く、近視あるいは屈折異常の可能性があります。
目を細める以外にも、あごを上にむけたり、あるいは下に引いたりする動作を行っている場合は、やはり少しでも見やすくしようとして無意識に、そのような仕草をとっている可能性があります。
本を読んだりするのを子供が異常に嫌がる場合も、もしかしたら単なる勉強嫌いからではなく、近視や遠視・あるいは弱視等のために、本の文章や絵がよく見えないことからくる苦痛から、嫌がっているのかも知れません。
子供の勉強嫌いは、視力にかかわる場合が意外と多いものです。
たとえ目に器質的な問題がなくても、テストへのプレッシャー等から黒板や答案の文字が読みにくくなるといった、視力低下の症状(心因性視力障害)を示すこともあります。
心因性視力障害~子供の心のストレスが原因。
このように、日常の動作におやっ?と思う点がみられた場合は、親としてできるだけ早い機会に眼科専門医による診断を受けさせることが必要です。